French Cancan
邦題 『フレンチ・カンカン』 (1954)
【解説】
第二次大戦中にアメリカに亡命し、祖国フランスでの復帰第1作目となったジャン・ルノワール監督の作品ムーランルージュの誕生とフレンチカンカンの公演を描いたミュージカル映画で興行的に成功を収めた。
【ネタバレ感想】
フレンチカンカンのメインダンサーとすべく抜擢されたフランソワーズ・アルヌール演じるヒロインのニニに対して、あてがわれた恋愛相手はそれぞれ3名。
自分と同じ境遇であるパン屋のポウロ。シンデレラ物語そのままのアレクサンドル王子。そしてニニを見いだし、カンカンを演出するダングラール。
劇場建設と同じく順風満帆にはいかない彼女の恋愛。そしてそれが映画のメインストリームとなり演出されていく。
個人的にはダングラールに驚いた。
公演が始まり、とうとうカンカンのお出ましか、という最後の最後の場面で浮気をしている所をニニに発見されてしまう。
ニニはショックで控え室に閉じこもりボイコット。とうとう、フレンチカンカン不成立か?という瀬戸際の場面で
「俺は縛られん。それが俺だ、文句あるか」宣言。
フランス人ってのはこんなものなのかなぁ。と思いながら、メインのカンカンへと動いていく。
カンカン成立の為に嘘でも「もう浮気はしないよ」的な発言をしてその場だけでもまとめればいいと思うのに、一歩間違えれば全てが終わってしまうような挑戦的な発言には正直驚いた。
ミュージカル映画であるが基本的に最後の部分を除きミュージカル的なシーンはない。その為「いつ踊り出すか」と待たされてヤキモキされることになる。
そして本番のミュージカルシーンは圧巻。これだけ待たされた甲斐があったとも言うべき集団群舞に納得。作られた製作年代を考えれば商業的に成功して間違いなしの作品。
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