デビー・レイノルズ 雨に唄えば

雨に唄えば

SINGIN' IN THE RAIN

 邦題 「雨に唄えば」 (1952)

【クレジット】

監督 ジーン・ケリー
出演 ジーン・ケリー
   デビー・レイノルズ
   ドナルド・オコナー

【解説】

MGMミュージカル黄金期の作品。その中でも最高の作品。つまり「Best of the Best」の作品。

ミュージカル映画の中でも「歌よし、踊りよし、ストーリーよし」で全てが最高の作品。芸術性はそれ程でもないが大衆娯楽性は極めて高く、それでいて時代を超える普遍性を持っているために21世紀に入った現代でもレトロ感はあるものの観る者を飽きさせない。特に有名なシーンは雨の中で傘を差さずに「singin’in the rain」を歌う場面。

ジーン・ケリーの演技は軽快なタップダンスも含めて流石の一言。巴里のアメリカ人に引き続き安定した演技。

デビー・レイノルズは新人ということだがこの作品で一気に名女優へ仲間入り。男性2人に引けを取らない「Good Morning」でのダンスは新人ながらお見事。

ドナルド・オコナーは奇跡の様なダンスを見せる。「Make 'Em Laugh」はジーン・ケリーのお株を奪う圧倒的なシーン。助演だけどダンスに関してが自分が主役なのだと訴える。

キャシーがファンファーレと共にケーキから突然飛び出して「All I Do Is Dream Of You」を歌い終わるまでの場面は日本人に「エンターテイメント」という物が何であるかを教えてくれる大切な場面。これぞハリウッドのエンターテイメントなのだ。

「Good Morning」はミュージカル映画の中でも珠玉の場面。レインコートを使ったフラダンスや闘牛の演技は圧巻。このシーンだけでも映画を観る価値がある。

「Good Morning」を見た後、息つく暇もなくそのまま「singin’in the rain」の場面へ。このシーンさえあれば雨の日に嫌な気持ちになることはない。雨が降ってきて嫌になるかどうかはその人の気分次第なのだ。かといって雨に濡れて風邪をひかないように!

人気俳優と無名の舞台女優が障害を乗り越えて最終的に結ばれるという恋愛ストーリーもよく、サイレント映画からトーキー(音声映画)へと映画界が変化していく過渡期にどの様な混乱が起こり、対応をしていったのか映画史の勉強にもなる。

私が人生で一番繰り返し観ている映画であり、何度でも楽しめる素晴らしい珠玉の作品です。

(2015/04/08)

-デビー・レイノルズ, 雨に唄えば

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