Terms of endearment
邦題 「愛と追憶の日々」 (1983)
【クレジット】
[監督]
ジェームズ・ブルックス
[出演]
シャーリー・マクレーン
デブラ・ウィンガー
ジェフ・ダニエルズ
ジャック・ニコルソン
「アカデミー賞5部門受賞」
【解説】
この作品の第一印象は主演のシャーリー・マクレーン(存命)の名前を言われてどの様に頭の中でイメージをするかで随分と変わってくると思う。
シャーリー・マクレーンを知らない人なら全く問題ない。また最近のシャーリーを知っているのなら、「まだ中年の頃の作品だね。」と思う程度だと思う。
だた「アパートの鍵貸します」の時代のイメージの人が見たら
「あの綺麗なシャーリーが歳を取った」
とショックを受けると思う。(更に役柄が性が盛んな中年女性)ベッドでジャック・ニコルソンを待ち構えるシーンなどは衝撃だ。
閑話休題。
話をストーリーに戻すとこの作品は映画を見るまでに得られる事前情報でかなり作品の印象を悪くしていると思う。タイトルの「愛と追憶の日々」だが、原題は「Terms of endearment」直訳は「愛情表現」や「愛情の関係」と言うニュアンスであるけど邦訳がまったく原題を反映していないし、意訳にしても全く内容にマッチしていない。このタイトルは相当に減点対象だと思う。
また、映画のパッケージの紹介部分でシャーリーとニコルソンの中年の恋愛映画を匂わすようなことを書いてあるが、実際は母娘の愛情関係を表現した映画である。ジャック・ニコルソンはそこまで重要な役柄ではなくジェフ・ダニエルズ(娘の旦那)の方が重要度が高いぐらいだ。ただ、ジャック・ニコルソンの演技は圧巻だ。
序盤に娘夫婦がアイオワに引っ越すというのでいざニコルソンとの二人の恋愛関係に焦点が移るのかと思いきや母娘のストーリーが同時並行で進んでいくのであれ?と思ってしまい・・・・
また、アカデミー5部門受賞というから相当な期待をしてみるのであるが期待ほどではなく・・・(アカデミー作品賞には値すると思うが・・・)とまあ、事前に期待していた分に肩透かしを喰らうということでしょうかね。
娘夫婦の不倫の描写にしても、シャーリーとニコルソンの恋愛の入り方にしてももう少し描写の仕方が別にあったのではないのかと感じてしまった。少し表現がぎこちなくて、「本当に旦那は不倫してるの?」と思ったり「あれ、シャーリーはニコルソンを恋人として受け入れたんだ」と後で結果論として判明する事もあり見ていて少しひっかかる所もあった。
と厳しい意見を今まで述べたが、海辺をオープンカーでドライブして海にニコルソンが投げ出される痛快なシーンもあれば、反抗期の息子に対して母親が「素直になれず母親に冷たかったと将来後悔するけど大丈夫。あなたがママを愛してるのを知ってるから」という感動のシーンもあったりする。
結局、この作品は見る人によって大絶賛する映画だと思う。けど見る人すべてが絶賛するタイプの映画ではないと思う。後半部で親友が「NYに招待する話」と「娘を引き取る話」があるがそれを見て親友を好意的に解釈できるか否定的に解釈するかで評価が分かれるのと同じだと思う。(私は否定的です)
そんなわけで私がこの映画を消化するにはもう少し時間がかかりそうです。
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